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涙の惜敗、国王杯決勝で逆転負け

吉川智貴が所属するマグナ・グルペアは、5月6日に行われた国王杯決勝で、エルポソ・ムルシアに 2-3で敗れた。    前半はマグナ・グルペアが完全に支配していた。パンプローナから駆けつけた1,300人の後押し もあり、メインスタンドは緑一色となった。クラブ史上初めてのタイトル獲得へ。 その期待にチームは抜群のパフォーマンスで応えた。強度が高いディフェンスをベースに、前線から プレスを駆け、相手を圧迫させると、攻撃では手数は少ないながらも、各選手の長所を活かし、シュート まで持ち込んでいた。 マグナ・グルペアは2得点を先行したが、あと1、2点を先に奪ってもおかしくはなかった。 実際に彼らはゴールにならなかったが、最大の決定機を少なくとも3回は手にしていた。 _1  エルポソを圧倒するマグナ・グルペアの主役は、吉川だった。途中からコートに入ると、強度の 高いプレスで、スペイン代表ミゲリン、アレックス、ブラジル代表ピトらからボールを奪った。守備だけ ではない。攻撃を着火させたのも吉川だ。 縦への突破、カットイアからのシュート。「決まったと思ったんですけどね」と振り返る決定機も手にした。 攻守において、圧倒的なパフォーマンスを示していた。 そのプレーは今現在、最高の日本人フットサル選手が誰であるかを雄弁に語っていた。 「左足は痛かったですけど」とまだ負傷明けで万全ではなかったが、吉川にとっては、 自身の実力を示す展示会のような前半だった。  マグナ・グルペアにとって、失点しなければほぼ満点の前半だったが、残り30秒で第2PKをエルポソに 決められてしまった。その1点が重かった。  後半に入るとマグナ・グルペアの足はぴたりと止まる。前線でプレスをしようにも足が出ない。 前半でエネルギーを使い果たしてしまったようだ。後半はエルポソが完全に支配し、2得点を決められ、逆転負けをしてしまった。  試合後、吉川の涙は止まらなかった。タイトルを逃し、応援に駆けつけたサポーターの声援に 応えられなかった悔しさを、なかなか振り払えないようだった。 _foto2 ————— 写真01キャプション:負傷明けの吉川は、まだ万全の調子ではなかったが、後半も 走り続けた。 写真02キャプション:試合後、エルポソが表彰されている中で、吉川が手で顔を覆う。涙は止まらなかった。 ◇国王杯決勝マグナ・グルペア対エルポソ・ムルシア戦ハイライト https://www.youtube.com/watch?v=QN3B1jOg1BI